下北沢大学のレポート

 しもきた商店街が企画した地域活性プロジェクト「下北沢大学」。知らなかったのだが、キャロムはどうやら「キャロム部」という位置づけになっているらしい。2010年度の夏期講座では、キャロム部も、8月14日、15日、21日、22日の4日間、みずほキャンパスでワークショップを開いた。
 下北沢は日本のキャロムの拠点の一つ。下北沢大学スタッフのなかにも大勢知り合いがいて、初日からアットホームな雰囲気でワークショップはスタートした。4日間とも記録的な猛暑だったが、スタッフの皆さんのサポートで、有意義なプロモーションができたことを感謝したい。以下、目にとまったエピソードを並べてみる。

【屋外でのキャロム】
 通常、キャロムは室内でプレーし、ボードは水準器を用いて正確に水平に設置する。しかし今回は屋外でのプレーだ。会場の「みずほキャンパス」は、実はみずほ銀行の駐車場。下は凸凹のあるコンクリートで、雨水を逃がすための傾斜もある。その駐車場にたくさんのテントが張られ、ワークショップを開くのである。したがって,水平に設置するなどというワガママは許されない。ボード面にはかなりの傾斜ができるので、この傾きを頭に入れておかないと、うまくコインがポケットに落ちてくれないのだ。さらに初日は夕方から風が強くなり、パウダーは飛ばされるわ、テントは揺れるわで、大わらわ。それでも、いつもと違った環境でのキャロムは面白く、気づかないうちにみんな夢中になっていく。
 神田のDaydreamでキャロムの初めてまだ1か月ほどのK君は、スリランカ人師匠の指導の下、急速に上達中の期待の星だ。下北沢大学にも友人と一緒にやってきて熱心に練習していた。あまりにもプレーに夢中になったので、家に帰ったあと軽い熱中症の症状が現れたそうだ。


【インド人が・・・ フランス人が・・・】
 たまたま、キャロムを見ていて説明を求めてきた人が、実際にゲームをしてみて「これはおもしろい」と言ってくれた。後でうかがうと、四谷の有名な「おもちゃ美術館」の関係者の方。
 ボードのわきで「キャロムなら知ってるぞ」といった表情で見ていた南アジア系の外国人。近くのインド料理店のインド人コックだという。インストラクターとして参加していたJCFのH氏は、これは本場の人と対戦するチャンスと,早速インド人を誘った。だが、最初のショットを見て、がっくり。。。インド人すべてがキャロムの名手ではないのだ。

 フランス人がやって来て「これは日本独自のゲームか」と聞く。「そうではない。これは今、フランスで爆発的に人気のあるゲーム」と教えるととても驚いていた。終了間近の夕闇が迫る時間だったが、数ボードを楽しんで帰っていった。

【麻雀ではないぞ】
 商店街の役員に案内されてきた男性2人。視察にやってきた人のようだ。そこにビリヤードの経験があるという男性が加わり、JCFのインストラクターと男4人でダブルスを始めた。それを見て、隣のボードで遊んでいた女性グループいわく「オジさんたちが麻雀卓囲んでるみたい」


【若い人たち】
 若い男性3人が、ちらちらキャロムを見ているので「やってみる?」と声をかけた。初めてだというので説明をしながらダブルスを遊んでもらうと、面白くなってきたのか「もう1回、もう1回」とボードを重ねていく。ひとしきり遊んだあと、3人は会場の入口で売っている下北沢大学のロゴ入りTシャツを買い求めて帰っていった。愛知から遊びに来たグループとのこと。

 インドでキャロムを体験したという大学生がやってきた。大学の短期海外研修でインドに行き、あちらのカリキュラムにキャロムが組み込まれていたということらしい。ゲームをしながら「そうだった。思い出した」を連発。思い出したついでに、かなり興味も持ってくれた様子だ。神田に来れば毎週遊べるよ。

【元気な女性たち】
 3日目からはボードが1台増えて3台になった。夕方、ハイテンションの女性4人組が襲来。キャロムをしながら「ワー!キャー!」と大きな歓声をあげるので、キャンパスを訪れる人が次々とキャロムを覗きにやって来る。覗きに来ればストライカーを弾いてみたくなるのが人情。時には3台のボードが埋まってしまうほどで、JCFのインストラクターだけでは間に合わず、休憩中の下北沢大学のスタッフにも手伝ってもらった。
 スタッフとして働いていた高校生の女子2人は完全にキャロムにはまったようだ。休憩のたびにやってきてはゲームを楽しんでいく。これまた先の女性4人組以上にハイテンションである。ポケットに落ちては「キャー!」、ミスショットをしては「キャー!」。元気いっぱいで、一緒にいるこちらも楽しくなった。




 
▲top

What's Carrom? | Profile | Equipment | Rules | Boards
News | Backnumber | Application | Guestbook | Links | Home

Copyright(C)2001-2016 Japan Carrom Federation (Tokyo)
無断転載・引用禁止
日本キャロム連盟(東京)