第5回ワールド・キャロム・チャンピオンシップ(その1)
 

 ワールド・キャロム・チャンピオンシップ(WCC)は、ICFの主催する国際大会の中で、最も古く、最も権威のある大会です。今回で5回目を数えるWCCは、カンヌ映画祭でおなじみの「パレ・デ・フェスティバル・エ・デ・コングレ」を会場に、2008年2月13日から17日までの5日間、開催されました。

 トーナメントの会場は、1階正面玄関左にある「地中海ホール」。ここは2003年にも使用された広いスペースです。キャロムのイベントは、パレ・デ・フェスティバルで毎年開かれる国際ゲーム・フェスティバルの中に組み込まれています。

   

(ダブルス)
 大会初日、ホテルからスタッフの運転するシャトルで会場へ向かいました。日本チームのメンバーは前日の深夜にようやく全員が揃った状態で、スケジュールの変更などは会場へ行ってからの確認となりました。
 9時半過ぎにコールがあり開会式スタート。しかし傍らでは早くも1回戦の2試合が行われています。トーナメントの時間割の都合で、先に始めなければならなくなった対戦です。その4チームの中に、日本のプレーヤーとも交流の深い韓国プレーヤーのペアがいました。

   

 男子ダブルスは、各国2組までエントリーすることができます。日本は男子プレーヤーを3人しか登録しなかったため、ダブルスの出場は1組のみでした。日本ペアの初戦は11時から。相手はパキスタン。これまでパキスタンは内政の混乱などの影響で国際大会に参加することがほとんどなく、その技量は未知数でした。とはいえ南アジアの国なのでキャロムに親しむ人は多く、レベルが高いことは言うまでもありません。
 日本のペアは初戦のためか緊張でコチコチ。苦戦を強いられました。一方、女子ダブルスは11時から始まり、日本ペアはスリランカ・カナダの混成ペアと対戦。スリランカのプレーヤーは毎回ブレークで2個、3個とポケットに落とす強豪でした。

(国別チーム戦
 2日目の14日は国別団体戦。1か国4人までエントリーすることができ、そこから3人が試合に出場して2人が勝てば次へ進めます。ところが・・・・・日本チームの初戦はインド・・・。相手に不足はないものの、2回戦に勝ち上がる可能性は限りなくゼロに近い相手です・・・。

   

 松原チャンプの対戦相手は“キャロムの神様”の異名を持つシャンカラさん。会長は2006年のワールドカップで世界チャンピオンになったパルデシさん・・・。そして国際大会初出場のKさんは、こちらも国際大会では初めて見るアロキアラジさん。
 5年前のカンヌ大会でも、松原さんは“神様”と対戦、完敗はしたもののそこから多くののテクニックを学びました。その相手との再戦です。神様はいきなりホワイトスラムを松原さんに浴びせてきました。しかし今回の松原さんは以前とは違いました。5年前は1ポイントもとれなかったシャンカラさんから7点をもぎ取ったのです。力の差は確実に狭まっています。

     

 会長もワールドカップで対戦したパルデシさんとの再戦となりました。そのときの撹乱戦法を覚えていたのか、今回のパルデシさんは会長のブロックを丁寧に外しながら安全圏に自分のコインを進め、それから落としていきます。おかげで試合時間はかなり長引きました。

 右上の画像は、それぞれ2個ずつのコインとクイーンを残している場面です。ここで勝利を分けるのは、自分のコイン、クイーン、そしてカバーのコインと、確実に3つを続けて落とせる正確さ。残念ながら日本のプレーヤーは、そのあたりの技量がまだまだ足りないようです。

 女子は2人しかいないので、チーム戦にはエントリーしていませんでしたが、やはり人数の足りないほかの国と、急遽、混成チームを結成することになりました。日本・イタリア・ドイツ・カナダの混成チームで、総当たりのリーグ戦を戦いました。

(生活)
 大会期間中の宿泊は、小高い丘の中腹にある4つ星のホテルでした。ホテルの庭にも周辺にも、この季節ミモザの花があふれています。リゾート地らしい、いくつかの建物で構成されたホテルで、キャロム関係者の部屋は主に4階建てのマチスという建物の中に割り当てられていました。
 ホテルから会場のパレ・デ・フェスティバルまではおよそ4キロ。フランス連盟のスタッフが車で送迎してくれました。


 部屋は2間のコンドミニアム。長期滞在用のキッチンつきの設計で、毎朝7時にフランス連盟のスタッフがフランスパン、クロワッサン、ジュースなどの朝食を届けに来ます。このパンやバターやジャムが実に美味しいのです。昼食はパレ・デ・フェスティバルの地下2階にあるカフェテリアで。いわゆる社員食堂のようなところです。キャロム関係者はIDカードをつけているので、スタッフ用の区域にあるこのカフェテリアで食事をとることができます。

 キャロムの試合が終わると、3、4台の車で夕食のレストランまでシャトルサービスが行われました。ラボッカ地区の地中海に面したレストラン「ラ・トリマラン」は、南仏らしいイタリアン・テイストのフレンチレストランです。ライブミュージックが流れ、お客さんからダンスが飛び出すこともあります。

※ ワールド・キャロム・チャンピオンシップのレポートは Carrom.jp blog にもあります。

   

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