■国際頭脳スポーツフェスティバルのレポート
 

 パシフィコ横浜で開催する予定だった「国際頭脳スポーツフェスティバル 2013」は、主催者側のアクシデントにより会場の変更を余儀なくされた。規模の大きなゲーム団体の中には、独自に会場を確保して単独で開催を強行したところもあったが、予定されていた国際選手権大会の多くは中止になった。
 しかし、体験会や小中学生のジュニア選手権大会を企画していた団体は、開催日の8日前になって急遽決まった横浜駅に近い会場で、規模の縮小はあったものの計画どおりに行うことになった。
 キャロムの体験会は代替会場の中のメイン会場「横浜駅西口カンファレンスセンター」で、8月14日から8月18日の5日間にわたって開催した。


8月14日(水)インストラクター5人
 間際になってからの会場の変更を、主催者はどのように広報したのか。各ゲーム団体のスタッフは不安のなかで初日を迎えた。
 この日だけ、体験会は2つ確保されていた会議室の狭い方で行うことになり、各参加団体は窮屈な配置でスタート。最初こそ入場者はポツリポツリであったが、1時間も過ぎると会場の様相は一変していた。小学生が雪崩を打って体験会場に押しかけてきたのだ。興味津々でキャロムボードを取り囲み、プレーしたいと目を輝かせている子供たちは、インストラクターの指示になかなか従わない。JCFはキャロムの面白さをできるだけ多くの人に知ってもらいと体験会に参加したのだが、そんなことはお構いなしで場を占領する。他がすべてテーブルの上で対戦する静的なゲームであるのに対し、キャロムは駒が動くので小さい子にとっては恐ろしく魅力的に見えるようである。
 実はこの日は、隣の大きな会議室では大勢が参加する将棋のジュニア選手権が開かれていた。試合はスイスシステムで5回戦行う予定だったが、主催者側の都合でトーナメント形式に変更されたため、対戦が終わるたびに敗退した子供たちが体験会場に移動してきたのだ。スイストーナメントなら全員が必ず5試合できるので、こんなことにはならない。完全に主催者側のミスである。
 キャロムのデモ試合は、なかなか思うようにさせてもらえなかったが、TBSの「みのもんたの朝スバッ!」の取材が入り、ようやくレポーターにキャロムの面白さを説明することができた。
 カメラマンはブレークに興味を持ち、数回を撮影。その映像は8月16日放送の「目のつけどころ」コーナーでオンエアされた。キャロムのゲーム風景が紹介され、コーナーの最後にもブレークの映像が使われていた。

   

8月15日(木)インストラクター4人プラス1人
 2日目以降、体験会は大きな会議室の方へ移動。キャロムはブレークの時などに音が出るので一番奥のコーナーを希望し、そこに2台ボードをセットした。昨日と違い、この日からは親子連れや大人が多く来場するようになり、ルールやテクニックの説明も落ち着いてできるようになった。初めて体験した人でも少し慣れれば、インストラクターがずっと付き添わなくても試合ができるようになる。

   

8月16日(金)インストラクター3人プラス1人
 3日目もキャロムにとっては適正な入場者数。来場者の多くはキャロムのほかにも様々なゲームを楽しんでいる。
 マスコットキャラクターの「わっぴー」と「ぬこ」は会期中ずっと会場にいて子供たちの遊び相手になっていたが、この日はキャロムをしにやって来た。記念に写真を撮ってfacebookに載せたが、世界のキャロム・プレーヤーは、日本独特のこういった文化をどう感じるだろうか。
 この日はなぜか熱心な人が多く、何度も「もう1回!」の声があがった。たいていは順番を待っている人がいるので希望に添うことはできないたが、ときおり来場者が少なくなる時間帯があり、そんなときに運良く居合わせた人たちは長時間ゲームを楽しんでいった。

   

8月17日(土)インストラクター4人プラス1人
 2日目、3日目とも大人や親子連れが多く、キャロムのマナーやルールもよく守られたので、この日は朝からボードを1台増やし3台で体験会をすることにした。
 毎日、何組かは就学前や小学校低学年の子供たちがやってくる。こういった子供たちはまだうまく指でストライカーを弾くことができないので、インストラクターも苦戦。分かるように説明したつもりでも通じていないことがあり、そんなときは若いインストラクター平易な言葉で言い直してくれる。まるで、外国の子供にキャロムを教えているようだ。
 一方、小学校高学年になると飲み込みも早く、時には若いインストラクターを逆に指導(?)する子も現れるのが面白いところ。
 チェッカー・ドラフツのインストラクターとして参加しているモンゴル人の青年2人は、暇をみてはキャロムをしにやってきた。モンゴルにも指で弾くゲームがあり、2人ともキャロムには親しみを感じていたようだ。

   

8月18日(日)インストラクター2人
 いよいよ最終日である。この日のインストラクターは2人。日曜日ということもあり多くの来場者が予想されるので、少々不安ではあった。
 思ったとおり、午前中から2つのボードには途切れることなく体験希望者が押しかけた。昼過ぎに人が途絶えたので急いで昼食をかきこむ。
 午後からはまた忙しくなり、どちらのボードでも常に誰かがゲームに興じている状態。そして、そのまま午後5時の閉会を迎えた。めまぐるしく過ぎた5日間であったが、予想以上に多くの人にキャロムを知ってもらえたのは大きな収穫であった。パシフィコ横浜の大きな会場で開催できなかったのが、返す返すも残念である。
 他のゲーム団体に比べ片付けに手間取るキャロムであるが、今回は新しく入手したボード運搬用台車「ポニー」が大活躍。撤収はすこぶる順調に進み、5日間の体験会は無事終了した。


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